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聖書の世界に包まれた・・ミュシャ展 スラブ叙事詩

「ミュシャ展」行って来ました。
「入場まで80分待ち」その看板見たときは、えー!!無理ー!となりましたが、
もう会期が終了近かったので、致し方なし、列にならんで80分待ちました。

で、そうまでさせるミュシャの力です。
すごかった・・・。

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(写真撮影は一部の部屋でOKでした)


ミュシャ(1860~1939)は、現在のチェコ生まれ。
非常に美しい女性の絵で有名です。

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今回は、「スラブ叙事詩」という、巨大な絵の連作が目玉でした。

スラブ叙事詩とは、スラブ民族の勃興の物語を、伝説と実話をまじえて、ミュシャが20年近くかけて描いたもの。
ミュシャが描いたのは、他民族に支配され虐げられる悲しい歴史、しかし、それに立ち向かおうとする民衆、
そこにある人間の尊厳、そして、その民衆を導いていく愛。

この大きな絵に囲まれていると、聖書の世界にいるような感覚になりました。

聖書には、ユダヤ民族が登場しますよね。
前、シスターに聞いたことあるんです。
「自分は日本人だから、ユダヤの民がどうしたこうしたと書かれている聖書の中身についていけない」と。
するとシスターはこう言われたのです。

「ユダヤ民族というのは、象徴なのよ。「自分の土地が奪われ、支配され、国を追われ、そういう虐げられた人々」を表しているの。そういった民を神様はどう救されるのかってことが書いてあるのが聖書なの」と。

ほお。なるほど。
苦しんでいる民の象徴、というのなら理解もしやすいです。

日本人は周りを海で囲まれた単一民族。
他国からの侵略・支配にさらされながら生き伸びてきた、という悲哀はリアリティがない。
しかし、スラブ民族にはそれがあった。
それで聖書のように思えたのかもしれない。

展示ルームに入って最初の一作品目がこれですもの。圧倒されました。

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白い衣装に身を包んだ2人。
背後から他民族の侵略を感じておびえている。
右後方に多神教の神。
この、、星空の中のこの描写。美しいのに、2人の表情がおびえているのだ。
スラブ叙事詩の出発点がこれ。
ハッピーな始まりとは思えない。


そして実際に戦いに巻き込まれていく。
たくさんの死体・・・・。
死んで遺体になった人、その人を抱きかかえて悲しむ人、ミュシャはどのような思いで描いたのだろうか。

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でもミュシャが描いたのは悲しみや怒りだけではない。
アップでないと見にくいが、中央の男性が、反撃のための拳を上げた人に対して、その拳をおさめさせようとしている。
「悪にもって悪で報いるな」というメッセージ。
右の頬を打たれたら、左の頬もって、難しいです。聖書にはそうあるけれども。
ミュシャは、それを描いた。そのキリストの精神を。
この絵が胸にぐわわんとささる。
ミュシャは、ただ民族の物語を描きたかっただけではない・・・と思えて。



胸がちくっとなったこの一枚。
民族の言葉を奪われたスラブ民族が、自国の言語を取り戻そうと、スラブ語の聖書を印刷している。
日本も朝鮮半島で…という歴史を思い起こしました。
日韓併合の後、朝鮮半島では日本語教育がなされたので、朝鮮半島の人にとっては、民族の言語が失われるというアイデンティティクライシスだったわけで、スラブ民族もそれと同じ状況だった。

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左前にいる、老人に読み聞かせをしている青年が、若いときのミュシャ自身だという。
ミュシャ、そういう人物だったのですか。

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そしてこの絵。
娼婦たちの娼館だった場所が、修道院に作り変えられている。
娼婦が白い服に着替えている。罪の回心。
これも聖書の世界を感じます。
罪人(娼婦)に石を投げるのではなく、愛でもって慰め、回心させたキリストのスピリット。
上に立っているのがそれを指導した司祭。

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ミュシャには、ヤン・フスという宗教指導者をよく描いたといわれているのですが、
ここにも登場します。左上の壇上から身を乗り出して人々に説教している男性。
カトリック教会から破門され、火あぶりの刑に。
宗教間の争い、人々を圧政に追いやる面もあったのですよね、、とあらためて。

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そしてなんとも幻想的なこちら。
なんだか自分もその空間にいて光を浴びているような感覚になりました。

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聖母マリアがなんともあたたかい優しさ。

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そしてこれが、最後の20枚目。
「スラブ民族の賛歌」というタイトルがついている。

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この力強い男性がスラブ民族を表しているのだそうだが、その背後にいるイエス様がどうにしても目につく。
このスラブ叙事詩を描いたミュシャに通底していたものを感じます。

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ミュシャは、愛国心をかきたてるなどの理由で、ナチスドイツに拘束され厳しい取り調べを受けたのだという。
解放されてから4ヶ月後に亡くなった。1939年没。

ミュシャ。
民衆への深い愛を絵に昇華させようとした人だったんだなあ・・。
虐げられ、悲しみ、苦しみを抱える民族が、それでも悪に悪で報いず、精神を立て直し、栄光を示すのだという思い。
そしてそこにあった、神の慈悲の存在。
聖書の絵巻物を見せてもらっているかのような、そんな空間に、圧倒されました。
そして、、ミュシャはこの20枚の中で、数百人にも及ぶ民衆の姿を描いたと思います。
目線、ポーズ、表情、ミュシャは、こうした1人1人の名もなき人々を、神さまの目線のように、愛おしみ拝みながら描いたのではないだろうか。


この超大作、本当にすごかった・・
どんなふうに搬入できたんだろう?と思ったら、これでわかりました。
美術館の搬入のプロのお仕事が伝わります!

https://www.youtube.com/watch?v=kMRPaNp2yNQ


詳しい写真はこちらにあります↓

https://nippon-art.club/article/western/mucha-slavia/


私は何を見ても、神様の意思やスピリットを感じようとするアンテナが立っているんだな、とも感じたミュシャ展でした。

チェコで見たい!!
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プロフィール

maria bernadette

Author:maria bernadette
フランスを旅行中、たまたまルルドを訪ねたら、
涙が次々に流れてきました。

人間以外から注がれる、大きな大きな無限の愛…!
癒し、巨大な安心感。
これは一体何なのか?

それ以来少しずつ信仰の扉が開かれ、7年後に受洗。
この世界を知ったことで救われていく自分の体験を綴っています。

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